日本のスカウティングの理想と目的を形に表わしたものが日本のスカウト章です。
全体の形は世界各国ともだいたい共通ですが、その一部にその国特有のデザインを入れて、その国のボーイスカウトであることを表わしています。たとえば、わが国のスカウト章には3つの花びらの中央に日本古代の鏡の図案をとり入れて表わしています。
わが国のスカウト章
- ユリの3つの花びらからなる花形
- その花びらを束ねた1本のロープ
- 左右の花びらに各1個ずつの星
- 中央に1面の日本古代の鏡
- 花びらの下にモットーをしるした広げられた巻物
- 巻物の中央下にさがった結び目のあるひもの6つ部分からできています。
ユリの花形は愛を表わし、3つの花びらは、スカウトの3つの ちかいを表わしています。真ん中の花びらは北を指すコンパス、スカウトの心は愛であり、また、どのように動揺することがあっても磁石の針が北を指して止まるように、正しく、 ちかいとおきての指し示す方向に向って止まるのです。
花びらをたばねたロープは協力・共同を意味し、世界のスカウトはすべて兄弟であることを表わしています。
左右の花びらにつけられた2つの星は、真理と知識を示し、また物ごとを正しく見きわめ、いつもあらゆることに注意を怠らないスカウトの眼を表わしています。また、星そのものとして、スカウトの野外生活をも表わしています。
中央の鏡は、日本古代の鏡で日本を表わすとともに、優れた知性と反省を意味しています。
巻物はいつでも笑いを忘れないスカウトの微少した口もとを表わし、それに、スカウトのモットーが記してあります。
巻物の下の結んだひもは、日日の善行”一日一善”を思い起させるものです。
そなえよ つねに
”そなえ
よつねに”これは世界各国のボーイスカウト共通のモットーです。
そなえあれば うれいなし・・・;どのようなことが起っても、それにたいする準備ができていれば、心配することはありません。それは、われわれ人類ばかりでなく、われわれの周囲にいる鳥、獣、小さな昆虫でさえも、季節の変化に備えて自然のうちに準備しています。
スカウトはどんなことに出会っても、必ずやり通せるという準備が常になされているぞという意味で、心身、技能ともに「すき」のないよう、どんなことにもすぐに応じられる心がまえ、身がまえをもって”いつでも、準備はできているぞ、さあこい”という態勢にあることを意味すます。このモットーの実践は、ちかいとおきてを守り、日日の善行を実行することによってできるもので、このためには、日常の訓練に励むことによってスカウト技能を十分に研究し、繰り返し練習して自分のものにしておくべきです。
”そなえよ
つねに”とは、ただ未来に備えるばかりでなく、現在のスカウティングに励み、積みあげることが未来の準備になることだということを忘れてはなりません。
日日の善行
●スカウトは、進んで毎日何かよいことをします。
●それは、ちかい・おきてを守り、天地の恵みに、社会から受けるあらゆる恩恵に、お返しをしようという心から行うので、どんな小さなことでも、よいと思うことを実行することです。
●スカウトの善行は、社会へのお返しです。
日本のボーイスカウトの初代総長になった後藤新平先生は、スカウトに次のように教えました。
人のお世話にならぬよう
人のお世話をするよう
そして、報いを求めぬよう
この言葉は”自治の三訣”といわれ、ボーイスカウトとして十分に味わうべきものです。
「いやさか」は、日本古来の言葉で「弥栄」と書き「ますます栄える」という意味です。ボーイスカウト日本連盟が設立されたころに日本の指導者の育ての親であった佐野常羽先達がイギリスのギルウェルで日本の祝声を披露する機会に「いやさか」を使われたことに始まります。いやさかの声や意味がスカウトの祝声としてたいへんよいことからギルウェルではゲームの勝者に祝声をおくるとき今も使われているということです。
いやさかは、万歳のかわりに、相手を賞賛するときなどに使います。
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